今朝の朝刊によると特別養護老人ホームなどの介護施設で平成27年度に職員による高齢者への虐待が確認されたのは408件と、26年度(300件)と比べ108件(36%)増え過去最多を更新したことが21日、厚生労働省の調べで分かったようです。
増加は9年連続で、被害者が死亡した例も初めて起きました。家族や親族による高齢者虐待も前年度より237件増の1万5976件と増加したようです。
厚労省は「通報件数も増えており、高齢者虐待の認識が深まったのではないか」と推測しているようです。
この調査は厚労省が高齢者虐待防止法に基づき、平成18年度から毎年実施していていますが、ほぼ毎年増加しています。
複数の入所者に身体拘束を行うなど1件で複数の被害者がいる事案があり、施設職員による虐待の被害者は778人。虐待の内容は「身体的虐待」が61・4%と最多で、「心理的虐待」27・6%、「介護放棄」12・9%。広島市の認知症グループホームで2階から転落した入所者に救命措置を行わななかった「介護放棄」による死亡が1例ありました。
一方、家族や親族による虐待被害者は1万6423人。虐待者は息子(約40・3%)が最も多く、夫(21%)、娘(16・5%)と続き男性による虐待が全体の61.3%と大多数を占めています。
現在国が進めている在宅介護や終末看取り介護などは虐待が益々増える要因となるような気がします。その家庭にとっての在宅介護の限界は様々ですが、限界が超えた時のセーフティーネットとしての機能である特養多床型を潰し、結果的に民間の高齢者住宅に委ねていく方向はどうかなぁと思います。
行政は、せめて優良な善意な高齢者住宅と貧困ビジネスの酷い高齢者住宅を分けて把握しても良いのではと思ってしまいます。