厚生労働省が推し進めている在宅介護への転換は原則的に正しい施策だと思いますが、現実は在宅介護には限界点があり、その限界点はその家族ごとに違い、経済的理由や家族構成・家族の繋がり方・家族の柔軟性・地域からの支援など様々な要素が起因して変わってきます。
他人から見ればとっくに限界点を超えていてネグレクト一歩手前でも大丈夫だと言う家族もいれば、経済的に優位な場合でも安易に行政支援を受けようとする家族もいます。残念な事ですが最近は興味すらなくまったく家族が繋がっていないケースが大変多くなっているような気がします。
限界点を超え経済的に余裕もなく生活保護に頼るしか手段のない人々を受けて貰える受け皿があれば問題ないですが、年々多床型の特養のベッドが減り行き場のない状況になっているように感じています。
我が法人理念にある「長年在宅介護に頑張ってきた人を最優先する」というのは一見不平等のように見えますが30年以上この仕事に従事したきた結果の判断です。実際に自分で介護してきた人と親族が介護をするのを只見てきた人では雲泥の差があるように感じています。
今現在、在宅で介護している人達が自分に何かあった時は間違いなく絹の道でフォローして貰えるという安心感を持って頂けるような地域包括ケアシステムをここ鑓水の地を中心に展開できないかなぁと思っています。
家族や親族のフォローを期待できる人、経済的に何があっても大丈夫だと思える人、夫婦が元気な間は大丈夫な人、地域との厚い親交で支援が期待できる人、自由気儘に自分勝手に老いていく人など等色々な人々に柔軟に対応できる「一歩高みを極める中核市」、八王子市であってほしいものです。