毎日の食事で、過剰に摂取した脂肪はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の人の場合、内臓脂肪の量が一定の限度を超えると、「ミンクル」という分子を介して脂肪組織の線維化が起こり、膵臓が繊維化するとインシュリンの分泌に異常をきたし糖尿病など生活習慣病の原因につながる恐れがあるようです。
ミンクルの性質についてはこれまで、生体の感染防御に中心的な役割を果たすことが分かっていましたが、今回はミンクルを介して肥満の脂肪組織の線維化につながる別のメカニズムが解明され英国の科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に掲載されたそうです。
実験では、肥満の内臓脂肪組織にあるミンクルを取り除いたマウスとそうでないマウスの2種類に高脂肪食を与えて太らせたところ、前者のマウスは後者に比べ、肝臓への脂肪蓄積や糖代謝異常が軽減されたことが示されたようです。
この実験を踏まえて、「肥満の人の内臓脂肪の量が限度を超えると、ミンクルを介して脂肪組織の線維化が起こり、脂肪が肝臓に蓄積して脂肪肝になる。その結果、脂質代謝異常(コレステロール値の異常)などを経て、糖尿病になったり、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に発展したりする」というメカニズムを突き止めたと報じられています。
メタボや肥満症の人は、ミンクルが負のサイクルに向かって機能しないように、生活習慣を改善することが重要となってきます。
一つは食事の工夫で脂肪は就寝中にたまりやすいので、就寝前の食事や間食を避けることを心がけ、油分の多い食事は減らし、油の種類も不飽和脂肪酸のオリーブオイルなどに切り替えることが推奨されます。
もう一つはやはり運動のようです。メタボの人は体が重く感じられる傾向にあり、エスカレーターや車での移動に偏りがち、日常生活の中で少しでも歩く距離を増やしていく工夫が大切になってくるようで。「歩けば歩くほど、体内の脂肪分の燃焼が促進され、脂肪組織の線維化を防ぐことが可能のようです」
また、脂肪にはいくつかの種類があり、腹部の筋肉の外側にあってつまむことができるのが皮下脂肪、大腸や小腸のまわりについているのが内臓脂肪。皮下脂肪や内臓脂肪の貯蔵量が限度を超えると、毒性の高い「異所性脂肪」と呼ばれるものが肝臓などに蓄積されるようです。
標準体重は((身長-100)×90%)ですが2㎏程下方修正で丁度良い感じだと思いますので多目の方は頑張りましょうね。