介護保険制度が始まる前は、特別養護老人ホームのような施設に入所するには措置制度のもと区市役所のケースワーカーが入所の判断をし施設側と交渉し基本的に施設側が承認する形で入所がなされていました。
その際、施設側は極力自分たちの意向に近い方を選ぶ傾向にあり認知症や医療依存度の高い人はもちろんの事、身寄りがなく遺骨の問題がある場合は極めて利用することが難しいケースと捉えられていました。
そこで自分達で施設を開設する際に身寄りもなく遺産もない人でも安心して人生を全うして頂ける特養にしようと山梨県の甲府南インターすぐの曹洞宗常安寺と納骨堂の契約をし措置時代には多くの方々の遺骨が納骨されてきました。
中には何年かの後に遠い親戚筋にあたる方がお参りされたり、古いご友人がお参りされたりと色々な事がありました。
身寄りがいない天涯孤独の方に言われた事が今でも思い出されます、「最後の時に職員・利用者と霊安室で一人ひとりとお別れができて正面玄関でみんなに見送りをされ山梨や指定の場所に納骨してもらえ毎年お墓参りに来て貰えるから安心だよ」と言われた時には利用者サイドからの意見に少し躊躇いましたが、納骨堂脇にある慰霊碑に刻まれた懐かしい名前を昨日ひとり一人思い出してきました。
介護保険制度導入後は基本的に契約になり納骨される方は、ほとんどいませんが、絹の道で最後を過ごされた皆様を何時までも忘れることなく過ごしていこうと思います。

納骨堂

利用者5名とお参りし川口湖で山梨名物のほうとう鍋を食べ遊覧船に乗ってきました。ほうとう鍋の食べ残しを見て感じた事は90歳でも元気に過ごすには食の良さだと痛感しました。